【熱中症を正しく理解し、正しく備えよう】

最近どんどん暑くなってきてますよね。今年の夏も昨年同様に暑くなることが見込まれているそうです。
そんな中、2025年6月から厚生労働省の指導により、職場における熱中症対策が義務化されています。
熱中症対策はもはや「個人の意識に任せるもの」ではなく、「企業・社会全体の責任」として扱われる時代になってきています。

熱中症対策が必要な中、今回は熱中症を正しく理解し、適切に備えるための情報をお伝えします。

【熱中症とは】

体内の温度(深部体温:内臓の体温)が上昇し、機能不全に陥り、頭痛や吐き気、意識消失、最悪命の危険にさらされるものをいいます!

【体温が上がるとなぜ危険なのか?】

体温が上がるとなぜいけないの?
この記事を読んでいる方々は発熱を伴う風邪を経験した方も多いと思います。
その時37℃〜38℃の発熱、高ければ40℃の発熱を経験されている方もいらっしゃると思います。
この時の発熱と熱中症との違いは、発熱が脳の「コントロール下」にあるかないかという点にあります。
風邪症状の発熱は、脳(視床下部)からの指令によって体温を意図的に上げている=コントロール下にある発熱です。ウイルスを退治するために、体が必要なだけ熱を上げ、水分量や血流も調整しています。
一般的に体温が41℃に達すると危険とされており、体内のたんぱく質の変化や機能不全に陥ってしまうと言われています。
風邪症状の発熱の場合、体温を脳がコントロールしているため、重症な場合ではない限り体温をそこまであげることは基本的にはありません。また、近くまであげた場合も体温を下げる準備が整っている状態です。

一方で熱中症による発熱は、体温のコントロール不良な状態です。
正常の熱放散(体外に熱を逃がすこと)を行っているのにもかかわらず、熱放散が追い付いていないため、体の機能としてはオーバーフロー(使いすぎな状態)しています。
体は熱を発散させるために皮膚に大量の血液を集めます。通常皮膚周囲に集まる血液量は200〜250mL/分ですが、熱ストレスにより7〜8L/分に増大しています!
なんと通常の32〜35倍です!

そんな量の血液が皮膚に集まるので、、
脳を含む内臓は血液不足に陥ります。
これが吐き気やめまい、意識消失につながってくるのです。

イメージとしては
体が火事になっているようにたとえると

風邪の発熱:安全に管理された実験的な「意図的な火」
熱中症:水をかけても消えない「暴走した火災

熱中症アブナスギル…

【気温上昇により放熱がしづらい?】
また近年気温の上昇により汗が蒸発・放熱しづらくなっています。

「熱いのに蒸発しづらいの?」

と感じるかもしれませんが、人間の体温は平均36℃といわれています。最近の夏は、気温が体温に近づき、35℃を超えることも珍しくありません。体温と外の気温が同じか体温の方が低いことも多くなってきます。
そうなると外の気温より体内の方が冷たいわけですから熱は発散しづらくなります。

体は熱発散をするために血液を皮膚に集めているのに、皮膚に集まるだけで、熱は外に出ない、何ならどんどん高くなる、、、、そんな事態に!

そこまでの過程のなかで、水分摂取量も影響しています。
汗として熱を出したいのにその汗の成分の水分がない!
と体の中でなっています。

こうやって熱中症を発症します。

【6月から熱中症に注意!】

そんな熱中症ですが、意外にも6月から熱中症者数は増加していきます!

梅雨の影響で湿度が非常に高くなりやすい時期です。この湿気により、汗が蒸発しにくくなり、体温が効率よく下がらないという特徴があります。体温調整がうまくできず、知らぬ間に体に熱がこもることで、熱中症のリスクが高まります。
さらに6月は気温の上昇が始まる時期とも言えます。体が気温の上昇に慣れていない分(熱順化)、突然の気温の変化に体が反応しきれないため、熱中症になりやすい状態です。

【熱中症への対策とは】

ではそんな恐ろしい熱中症にならないためには何をすればよいのでしょうか。
考え方としては、体の中が、
「体温が高くなった!体温を下げなきゃ!でも体の中に水分がない!汗をかいても熱が出ていかない!」
となるのが熱中症なので、その逆の環境を整えてあげるのです。

「熱が体から出る環境を整えてあげる」
外出時は帽子や日傘を活用し、日陰を選んで移動することが大切です。室内では扇風機やエアコンを適切に使用し、温度・湿度を快適に保つようにしましょう。
また、うちわやハンディファン。保冷剤、冷却スプレー、ネッククーラーなどのグッズを活用するのもおすすめです。特に首筋・わきの下など、太い血管が通っている場所を冷やすと効率よく体を冷やせます。

「こまめな水分摂取を行う」
体の水分を蒸発させることで、体の熱を発散することができるので、こまめに水分を摂取しましょう。目安としては一日2Lの水分摂取が推奨されてます。のどがかわいていなくても、こまめに水分をとりましょう。スポーツドリンクなどの塩分や糖分を含む飲料は水分の吸収がスムーズにでき、汗で失われた塩分の補給にもつながります!

「塩分を程よくとる」
実は汗はなめてみるとしょっぱく、塩分が含まれています。いわゆる「電解質」というものです。
過度に塩分をとる必要はありませんが、毎日の食事を通してほどよく塩分をとりましょう。大量の汗をかくときは、特に塩分補給をしましょう。ただし、かかりつけ医から水分や塩分の制限をされている場合は、よく相談の上、その指示に従いましょう。

また「暑熱順化」をしておくことも大事です。暑熱順化とは、体が暑さに慣れることです。5月6月の段階から少しずつ暑さに慣れておくことで夏本番に熱中症になりにくくなります。最も良好な形で順化するには通常、高温の環境下で8〜11日間過ごし、毎日いくらかの運動を行う(例、1日当たり1〜2時間、1日毎に強度を高める)。とのことです。自分のできる範囲で、今から熱中症対策をしてみてはいかがでしょうか

【気を付けていても熱中症になってしまったら】

今は外の気温が高すぎるので、なってしまうときはなってしまいますよね。
そんな時は、すぐに涼しい場所に移動しましょう。少しずつ水分を摂取し体温を下げることを第一に行動してみましょう。

・意識が消失している。
・自分で水分摂取ができない。
・5分程度休んでも体調が戻らない

そんな場合は、迷わず救急車を呼びましょう。

正しい知識と行動があなたと大切な人の命を守ることになります!

今年の夏も楽しいイベントがたくさん控えています!
熱中症にならずに楽しく夏を乗り切るためにも熱中症対策は忘れずに行いましょう!!

【熱中症リスクに備え、プロの看護師を配置しませんか?】

当社ではイベントナース・ツアーナース・ホームナースとして看護師の手配を行っております。
遠方への移動を含むものは「ツアーナース」
在宅への日中の見守り含む「ホームナース」
一日単位のイベントには「イベントナース」

【ツアーナース】
ツアーナースとは、移動を伴う場面に看護師が同行するサービスです。
医療ケアが必要な方の帰省や転地療養、遠方の病院への通院などはもちろん、修学旅行や社員旅行など団体での遠出など幅広く対応可能です。
長距離移動中は、車内や移動先での体調変化に気づきにくく、また対応が遅れるリスクもあります。
ツアーナースが同行することで、こまめな体調チェック、水分補給のサポート、万が一の際の迅速な対応が可能になります。

【ホームナース】
ホームナースは、公的保険にとらわれない自費サービスとして、一日単位で看護師がご自宅に常駐し、バイタル測定や服薬管理、食事介助、見守りを行うサービスです。
一日だけの見守りや退院時の一時的な対応など、医療保険・介護保険の枠にとらわれず、柔軟にご利用いただけます。
たとえば「日中家族が外出してしまうため、一人で過ごすのが不安」といったケースや、「暑さのなかで体調管理が心配」「退院直後なので、急な体調変化に備えたい」といった場面でご活用いただいています。

【イベントナース】
昨年の猛暑時も、多くのイベント現場で看護師が活動し、熱中症の早期対応や予防措置に活躍しました。今年も高温が予想されているため、ぜひ早めの準備をご検討ください。
また当社では、熱中症対策として「冷却用品・経口補水液・体温計」などを含む「熱中症対策セット」もオプションでご用意しております。
安心してイベントを行うためにもぜひ検討してみてください。

ツアーナースやホームナースのご利用をご検討の方、また「こんなケースでも対応できるの?」といったご質問も大歓迎です。熱中症対策をはじめ、移動や在宅中の不安を少しでも軽減したいとお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご要望に合わせた最適な看護師手配プランをご提案いたします。緊急時の対応や医療的ケアの不安を、専門の看護師がしっかりとサポートしますので安心してご利用いただけます。

日本イベントナースセンター

日本ツアーナースセンター

日本ホームナースセンター

参考・引用元
熱中症ガイドライン2024

厚生労働省:職場における熱中症対策強化について

MSD mアニュアル プロフェッショナル版 22-外相と中毒/熱中症/熱中症の概要

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